こなひき太郎のkindle日記

人文社会系のkindle書籍をレビューします。

平間洋一『日英同盟』(2015年、角川学芸出版)―世界の国は海洋国家と大陸国家に分けられる?

 1902年に締結された日英同盟は、20世紀初頭の日本外交を代表する同盟であり、日論戦争・第一次世界大戦というふたつの戦争に影響を与えました。本書は、元自衛官である筆者が、日英同盟の歴史を振り返りながら、現在の日本の安全保障についても論じようとするものです。

 しかし、後述するように、その内容はあまりにもひどいもので、日英同盟についての概説書としても、日本の安全保障について論じた本としても、評価できるものではありません。

 

 

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E.H.カー『危機の二十年』(2015年、岩波書店)―ユートピア主義の国から

  理想主義と現実主義という二項対立は、国際関係を分析するうえでもっとも基本的な枠組みのひとつになっているようです。国際政治学の代表的な古典であるこの本も、まさにユートピア主義と現実主義というふたつの思想を主題としています。

 

危機の二十年?理想と現実 (岩波文庫)

危機の二十年?理想と現実 (岩波文庫)

 

 

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長谷部恭男編『検証・安保法案』(2015年、有斐閣)―有斐閣はポピュリズムに走ったのか

 国会での意見発言で話題となった長谷部恭男先生の編による安全保障法制についての解説書が、kindleでも読めるようになりました。

 

 

検証・安保法案:どこが憲法違反か
 

  

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ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』(倉骨彰訳、思草社、2013年)―歴史学は科学でありうるのか

  今更ながら、朝日新聞の企画した「ゼロ年代の50冊」を選ぶ特集で1位になったことでも注目された、歴史書のベストセラーを読みました。

 

銃・病原菌・鉄 上巻

銃・病原菌・鉄 上巻

 
銃・病原菌・鉄 下巻

銃・病原菌・鉄 下巻

 

 

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